2020年12月、気鋭の新星ラッパー『空音』が、話題作をリリースした。
その名も「どうせ、愛だ feat. クリープハイプ」。
大人気バンドのクリープハイプとのまさかのコラボで注目を集めただけでなく、
その意味深な歌詞でもファンを虜にしている。
今回は、歌詞を紹介した後に、その深い意味が隠されている歌詞を個人的な意見とyoutubeのコメント欄をもとにガチ考察してみたいと思います。
ではいきましょう!!!
空音というアーティストについてのさらに詳しい紹介はこちら。
曲の概要
空音3枚目のアルバムとなる『TREASURE BOX』のリード曲。
大人気バンドのクリープハイプやミュージシャン・作家の尾崎世界観さんを迎え、ヒップホップというジャンルの壁を飛び越えた作品。
クリープハイプは、アーティストとしてもっとも影響を受けた存在であると空音は語っている。
豪華なコラボゆえに注目が高まったが、さらにそれを後押ししたのがその非常に深い意味を持つ歌詞だ。
「『どうせ、愛だ』を『同性愛だ』と読むことで全く違う歌詞に聞こえる」とリリース当初から大きな話題になり、youtubeの再生回数はリリース3週間で約60万回再生となっている。
この記事ではその「同性愛だ」と読んだ際の歌詞を読み解いていく。
PV・試聴リンク
歌詞
歌詞解説
冒頭でも触れましたが、この曲は歌詞の「どうせ、愛だ」を「同性愛だ」と読み替えることによって、全く違ったメッセージの曲になると言われています。
もしそのまま「どうせ、愛だ」と読み取った場合は、
「ぽっかり空いた 穴を塞いだ
その正体は どうせ、愛だ」
などからわかるように、失恋した悲しさや虚しさを歌っていると考えることができると思います。
では、「同性愛だ」と読み替えてみた場合です。
この歌詞は個人的には、『性的少数者が生きにくいこの世の中へのメッセージ』だと考えています。
その理由やメッセージを、歌詞から考察してみたいと思います。
性的少数者が生きにくいこの世の中へのメッセージ
まず、『性的少数者が生きにくいこの世の中へのメッセージ』だと考えた理由から紹介します。
最初に、
「眺めのいい角部屋に越した時
右隣に綺麗な女の人が住んでたよ
左の壁に付けてベッド 置いてたけど」
この歌詞から、右隣に綺麗な女性がいたのにわざわざ左の壁にベッドをつけていた、つまり
主人公が女性にあまり興味がないことがわかると思います。
そして、
「キスをしたり 濡れる夜に体を重ねたり
って恋愛映画の台本のような
そんな結末は迎えに来やしない」
「この関係は過ちなんかじゃないよ
誰かの当たり前にうんざりしてる」
「性のせいにして隔てては
他人の顔して 街出かけてた
その手 強くつなげれば」
僕はこの歌詞から
『この曲の主人公は恋をしているが、その恋は今のところ実っていない。
同性愛をしているという現実のせいにして知らないふりしているけど、実際はもちろん
手を繋いだりしたい。
同性愛という世間からはなかなか認められることのない形だけど、
それを過ちとは主人公は思っていないし、世界が考える「普通」にうんざりしている。』
というこの曲の構図を読み取りました。
おそらく主人公は、同性愛者に対する世間の目が怖いために、自分の持つ恋心に気づいていないフリをしています。でも実際は手を繋いだり、濡れる体を触れ合うような恋愛がしたい。そのジレンマに陥ってしまっていて、結局は「どうせ、この愛が悪いんだ」と決め付けてしまっていると考えています。
この主人公が自分の恋心を抑えてしまっている理由、それは明白ですが
「誰かの『当たり前』にうんざりしてる」からですよね。
そして、そんな主人公の苦痛をこの歌で歌うことによって
「そんな誰かが悲しむような世界でいいの??」という
空音からの強いメッセージだと僕は思っているというわけです。
昨今、ダイバーシティやLGBTなどに対しての意見が積極的に飛び交うような世の中になってきていますが、それでもまだまだ性的少数者への偏見は残っているように感じます。
特にyoutubeやtiktokのコメント欄、twitterなどでは心ない言葉を浴びせている人も多数とは言いませんが、一定数存在します。
・普通ってなんだろう?
・少数派って悪いことなんだろうか?
そのような現状に対し、弱冠20歳の少年が声をあげた。
その意味は、とても大きいと思います。
今一度、ジェンダーへの目線について考えてみる機会を作りましょう。
youtubeコメント欄からの超鋭い天才的考察
youtubeのPVのコメント欄に、歌詞について天才的な考察をしている方がいたので恐れ多いながらも紹介させていただきたいと思います。
「どうせ、愛だ」をローマ字表記にすると「Douse, Aida」となります。
これを「同性愛」に完成させるためには「i」が必要ですよね(Dousei Aiにする)。
でも、今のところその穴(DouseとAiの間の穴)はぽっかりと空いてしまっている。
「ぽっかり空いた 穴を塞いだ
その正体は どうせ、愛だ」
これがHOOKの歌詞です。
どうでしょうか?これは鳥肌が立ちます。
愛(i)が結局はぽっかり空いた穴を埋めてくれる。
ここを作詞した方、天才すぎますよね…
これに気づいたyoutubeのコメント欄の方も頭バグってますね(いい意味で)…
考察まとめ
空音の、「性的少数者に対する世間の目線はいかがなものか?」という歌詞仕掛けを駆使した含蓄のあるメッセージ、
そして「結局は愛がぽっかり空いた穴を埋めてくれる」というあくまでポジティブなメッセージ。
ただ聴くだけではわからない(実際僕もコメント欄の皆さんを超絶尊敬しています)、歌詞に込められたアーティストの想い。
これだからhiphopは、音楽はすごいですよね。本当にこの世に音楽があってよかった。
ではまた!!!
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