平均で4時間、私たち若者の2割は7時間も使うスマホ。
「スマホは悪い」と言われていますが、何が悪いのでしょうか?
なぜIT業界のトップは我が子にデジタルデバイスを与えないのでしょうか?
本書は最新研究をもとに、スマホが私たちの脳みそを蝕んでいく現実を書いたベストセラーです。
本記事では本書の要約と、スマホ依存についての興味深い事実、最後にはスマホ離れの解決法もちょろっと紹介していきます。
本の概要
この本を読んだ直後の僕は、とりあえず2時間はスマホをいじらず他の本を読みました。
スマホは怖い。スマホというより、アプリが怖い。
簡潔に要約すると、人間の脳はデジタル社会に適応していないという内容です。
人類史上最速で社会が変化している中、それは私たちの体と脳にとってどんな影響があるのか。
私たちを取り巻く激動の環境と人間の進化がマッチしていない結果、
私たちの心に「精神的不調」という影響を及ぼしているのです。
・そもそも、なぜ私たちはスマホを使いすぎてしまうのか?
・では、もっと具体的にどのような影響があるのか?
・結論、私たちはこれからどうしたらいいのか?
そんなことを紹介していきます。
なぜ私たちはスマホを使いすぎてしまうのか?
そもそも、なぜ私たちはこんなにスマホを使いすぎてしまうのでしょうか?
それは、人間の本能が「スマホを使え」と囁いているからです。
これではわかりにくいと思うので、もう少し詳しく説明します。
まず人間は本来、過酷な環境で暮らしていました。
寝ている時に猛獣に追われるかもしれない。
明日、食糧がなくなって餓死するかもしれない。
周りの情報を素早く取り入れなければ、襲われるかもしれない。
こんな苛烈な世界でした。
その世界を生き抜くために、人間は感情を大切にしなければいけませんでした。
感情は「お腹が減った」や「生き延びたい」という、人間が何をすべきかという行動を決定する因子です。
感情を大切にしないと、お腹が減っているのに食欲がわかず、生き延びることができません。
そして、感情と同じく人間を行動に移させる物質が「ドーパミン」です。
ドーパミンは報酬物質と言われており、「人間を何に集中させるか」を決めます。
目の前に食べ物があったらドーパミンが出て、セックスの時にもドーパミンが出ます。
つまり、生存に必要な時にはドーパミンが出て、人間を生き延びさせるのです。
そしてなんと、スマホもドーパミンを増やすのです。
例えば、古来の人間が新しい情報を手に入れなければ生き延びれなかったのと同じように、私たちもスマホを見ると「新しい情報を入手しなきゃ」と考え、「生存のために」ドーパミンが出、スマホを手に取らせるのです。
このようなメカニズムで、スマホは人間の生存欲求を刺激し、人間を釘付けにします。
この「ドーパミン」が私たちがスマホを使いすぎる科学的な正体です。
さて、「スマホは使いすぎると悪」だと言われていますが、
なぜこのようなメカニズムで使いすぎると悪いことが起こるのでしょうか?
スマホの使いすぎは私たちに何をもたらすのか?
睡眠不足、うつ、記憶力や集中力・学力の低下、依存。
このようなことを引き起こします。
例えば、集中力の低下。
私たちは、スマホを見るだけでもドーパミンが出てしまいます。
もし、大学の課題をやっている僕の視界の中にスマホが入っていたとしましょう。
脳はそれだけでドーパミンを出しますが、それを無視するために脳の知能の容量を「無視すること」に割かなければいけません。
つまり、視界にスマホが入っているだけで、課題に集中するための脳の容量が失われているのです。
これは実験でも証明されているそうです。
集中力のいる課題を、二つのグループに分けた被験者に課し、片方の被験者達には途中で電話をかけたりメールを送ったりし、スマホを見るように仕向けました。
結果、電話やメールを受けた被験者達の方がスコアが低く、約3倍もミスが多かったといいます。
このほかに、うつにはストレスのメカニズムが深く関係してきます。
例を挙げると、僕が「生存のために」SNSを多用しているとします。
そのSNSでは友達の楽しそうな写真がアップされており、それを自分と比較して嫉妬しまった僕はストレスを感じ、「この世界から離れて安心した方が良い」との命令を脳から受けます。
その結果、世界から離れさせる、つまり「生存のため」に気分をわざと落ち込ませ、世界を遮断します。これが人間がうつになる簡単なメカニズムです。
このように、スマホはドーパミンを出したりストレスを与えたりし、人間の脳を確実に蝕んでい句のです。私たちが自覚していないこの間にも。
このような理由から、スマホというデバイスの産みの親と言っても過言ではないスティーブ・ジョブスも、可愛い我が子にはスマホを与えていなかったのです。
これから私たちはどうすればいいのか?
脅してしまうような内容でしたが(実際この本は脅しに近いと僕は思っています)、もちろんスマホをいじりすぎないだけでこのリスクは回避できます。
とは言っても、スマホは「生存のため」に必要な存在ですのでそれは簡単ではありません。
そこでこの本の最後には、具体的な「スマホ離れ」の方法が記述してあります。
まずは自分を知ることが変化への一歩です。
スクリーンタイムを計測してくれるアプリを使い、どのくらいの時間をスマホにかけているのかを把握しましょう。そうすればスマホに奪われている時間が一目瞭然です。
スマホを見なければ、集中力を削がれることはありません。
前述の被験者のように、メールや電話がかかってこない集中できる環境で脳の容量を全て使用できるようにしましょう。
この他にも、本書では運動の重要性や睡眠時の注意など、多岐にわたる解決策を提示しています。
さいごに
この記事で紹介した内容はほんの一部分であり、ストレスシステムや報酬物質に関して、また他の影響に関しても非常に詳しく、データとともに記述してあります。
読み終わった頃にはスマホという存在が恐怖に変わっている、そんなこともあり得るでしょう。
僕は恐怖に変わりました。笑
そこまで過激になる必要はないかもしれませんが、
戒めとして一度読んでみることを強くオススメします。
ではまた!!!
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