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自分だけの「答え」を見つける-『13歳からのアート教室』【読書の宴】

書評
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ビジネスの世界でも再注目され始めている「アート思考」。

もちろんそれは絵を上手く描いたり、絵画の歴史に詳しくなることではありません

アーティストのように考え、『自分なりの答え』を常に持つことです。

そんな現代で重要となる「アート思考」について、

その意義やアート思考の身に付け方まで掘り下げて教授してくれる本です。

この記事は本書の要点や、書評を述べていく形にしようと思います。

ではいきましょう!!

本の概要

タイトル:13歳からのアート思考-「自分だけの答え」が見つかる

著者:末永 幸歩

出版社:ダイヤモンド社

出版年月:2020年2月19日

ページ数:338

読了目安:5-6時間

情報過多な現代世界。

話題の企画展で絵画を鑑賞した気になり、

SNSやネットニュースの投稿で世界を知った気になっている。

しかし、そこに「自分の視点」は本当にあるでしょうか?

この危機感を背景に、大人の世界でも「アート的なものの考え方」が見直されています。

この本を読めば、「自分だけの視点で」物事を見つめ、

「自分なりの答え」を作り出すための作法が見つかります。

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現代人に必要なのは「アート思考」

本書の大テーマでもある「アート思考」ですが、

なぜそこまで重要視されているのでしょうか?

「アート思考」が必要な理由

現代を生きる私たちには、「本当・唯一の正解を見つける力」ではなく、

自分なりの正解を見つける力」が試されているからです。

前述したとおり、世界から入手できる情報が多くなるにつれて

私たちは知識だけを取り込み、それを自分の「答え」として扱う傾向にあります。

しかし、VUCA(V=Volatility=不確実、U=Ubcertainty=不確実、C=Complexity=複雑、A=Ambiuity=曖昧)な現代世界では、あらゆる情報は変化に富み、幅も速さも方向もバラバラで、世界の見通しはほとんど効かなくなりました

これは今回のコロナショックでも皆さんは痛感されていることだと思います。

なので、その世界が変化するたび、知識を取り込み「唯一の新しい正解」を見つけていくのは

もはや不可能ですし、無意味でもあるのです。

「これさえやっておけば大丈夫!」「これこそが正解だ!」という「正解」は、

激動の現代ではほとんど期待し得ないのです。

そんな時代を生きる私たちには、「本当の正解を見つける力」ではなく、

人生の様々な局面で自分で答えを作る力、つまり

「自分なりの正解を見つける力」が試されているのです。

そう、その自分なりの正解を見つける力こそがアート思考なのです。

「アート思考」とは??

これまでは少々抽象的に「アート思考」の説明をしてきました。

ここで「アート思考」の定義をしっかりとすると、

自分だけのものの見方で世界を見つめ、

自分なりの答えを生み出し、

・それによって新たな問いを生み出す

となるようです。

つまり、

こんな感じのループだと説明できそうです。

「アート思考」の3つの要素

「アート思考」をさらに深く説明するために、「アート」を「植物」に例えてみます。

まず、地表部分の「表現の花」。

これはアートの「作品」部分にあたります。

美術館で展示されている、表面的なアート、つまり絵や彫刻そのものです。

この植物の根元には、大きく丸いタネがあります。「興味のタネ」です。

アート活動の本質となる、興味・好奇心・疑問が詰まっています。

「興味のタネ」からは、無数の根が伸びています。「探究の根」です。

好奇心や興味のまま好き勝手に伸びていくこの根は、もちろん自分自身で伸ばしていくものです。

勘の良い方はもうお分かりかもしれませんが、

「アート」の本質は「表現の花」ではなく、その土の中、「興味のタネ」「探究の根」です。

アーティストはこの興味のタネから探究の根を伸ばすことで作品を生み出しているのですが、

それこそがまさに「自分の興味・好奇心をもとに(=興味のタネ)自分の方法で世界を捉え、自分なりの探究をし続け(探究の根)、自分なりの答えを見つける(表現の花)」、

「アート思考」なのです。

アート思考はビジネスや人生に直接応用可能

ここまで読んで下さった方ならもうお分かりかもしれません。

「アート思考」のような「自分のものの見方」を持てる人こそが、

ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと、成果を出したり幸せを掴んでいるのです。

例えば、起業家であれば

社会課題の解決という興味をもとにその分野の勉強をし続け、

その課題を解決できるような自分だけのビジネスモデルを見つけ

会社を作ってビジネスとして社会課題の解決を実現する

このようなプロセスこそが「アート思考」の応用でしょう。

では、この現代に必要な「アート思考」はどうやって身に付けるのでしょうか?

本書には色々な方法が載っていますが、長さの関係上基礎的な1つだけ紹介しようと思います。

「アート思考」を育む方法

自分の興味のあるものを見つけたときに「探究の根」を伸ばし、

自分なりの答えにたどり着けるようにする方法です。

それはアウトプット鑑賞です。

やり方は簡単。

作品を目にしたら、気づいたことや感じたことを声に出したり、紙に書いたりしてアウトプットするだけです。

でも2つだけ思考を深めるコツがあります。

自分の感じた意見には「どこからそう思う?」

作品やものの事実には「そこからどう思う?」

と問うこと。

こうすることで「自分のものの見方」から「自分なりの答え」見つけることができます。

ググれば無数の芸術作品が出てくるので、ぜひその中の一つで実践してみてください。

自分でもびっくりするほど簡単に、深い思考を経由して答えにたどり着くことができます。

さいごに

現代で必要な「アート思考」の重要性とその育み方にとことんフォーカスしたベストセラーの紹介でした。

好奇心とか興味って、簡単に見えて伸ばすのは難しいですよね。

しかも、頭では大事だと思っているけど難しいし面倒くさいからやらない。

そんなあなたに本当におすすめの一冊です。

しかも興味や好奇心を伸ばせるのにも加えて、

アートの歴史に沿いながら本書は展開されるので、単純な教養も深まります。

一石二鳥の最強本ですね。。

ではまた、次の書籍紹介で!!

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