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異世界感と日常感が同居する渾身のエッセイ-『世界は救えないけど豚の角煮は作れる』

書評
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2021年新作!

登録者数32万人を誇るyoutuber・にゃんたこ氏の処女作

独特の世界観から繰り出される、日常的な言葉が心に刺さる名作です。

彼女のyoutubeをみたことのない人も関係なく楽しめる一冊。

僕もこの本を読んだあとyoutubeを拝見し、ハマりました。

本記事は本の概要の紹介著者紹介書評を中心に進めていきます。

ではいきましょう!!

本の概要

タイトル:世界は救えないけど豚の角煮は作れる

著者:にゃんたこ

出版社:KADOKAWA

出版年月:2021年1月

ページ数:191

読了目安:2-3時間

人気youtuber、にゃんたこ氏の個性あふれる処女作かつ名作。

一冊を通して一つの議題に向き合うような構成ではなく、一冊にいくつものエッセイが収録されている短編集です。

彼女自身の過去を思い出しながら、文学的表現で何気ない日常の出来事にスポットライトを当てます。

普通に過ごしていたらやり過ごしてしまうようなワンシーンも、彼女はその独特の着眼点で自らの哲学を織り成し、私たち読者に驚きの視点を与えてくれるシーンに早変わり。

今流行りの「エモ」でも「チル」でもない、彼女の等身大をそのまま私たちに映し出してくれるような共感必至の名作です。

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著者紹介

youtubeで32万人(2021年1月現在)の登録者数を誇る、人気女性youtuber。

日常風景にテロップをつけたいわゆるvlog動画が人気で、そのほかにもゲーム実況動画や、1分にも満たないようなシュール系動画を投稿しています。

この摩訶不思議なプロフィール画像がトレードマーク。

「独身OLの孤独な10秒チャージ飯」が一番の人気動画(約580万回再生)。

いきなり豆腐を手で握り潰すなど、飾り気のないテイストの動画がクセになります。

その他にも自身と友達が泥酔しているvlogを投稿するなど、日常的な一場面を映し出す形式の動画も人気を博している、注目のyoutuberです。

「幼い頃から文章を書くのが好きだった」と語ったり、また大量の新書を購入する動画をあげていたりと、相当な文学好き。そんな彼女のセンスあふれる本書をぜひチェックしていただきたい!

Twitter:https://twitter.com/NyantakoGG?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

youtube:https://www.youtube.com/channel/UC6XdFs8T6Ei54O0FYl3PVVA

書評

私たちの些細な悩みを吹き飛ばしてくれるようなエッセイ集。

一つ一つのエピソードが日常に根付いており、そこから学べる彼女の「生きる」哲学も私たちの生活にそのまま応用可能です。

でもそれだけでは終わらないのがこの本。

にゃんたこ氏独特の文学的表現がクセになり、スッキリと楽しく読み進めることができます。

「文学的表現」というと何か文法の使い方だったり機転の効いた言い回しだったりを想像するかもしれませんが、そうではなく、独特の着眼点を彼女なりの解釈と表現で読者にそのまま伝える、その技術の高さが彼女の「文学的表現」の凄さだと思います。

人と違う視点をもった人は、その独特すぎる考えを上手く人に伝えきれない、そんなジレンマを持つ人も少なくないと思います。というか、誰でも自分の意見がうまく伝わらずにやるせない気持ちになったこと、あると思います。

しかし彼女は、日常から切り取ったその特殊な視点を余すことなく、彼女の言葉で読者に伝えることに成功しています。

これは読んでいてなかなか気づくことではないですが、よく考えたら凄いことですよね。

例えば、僕のお気に入りの『つゆだく納豆的幸福論』という箇所。

ありふれた話題の「幸せ」というテーマを、どこにでもある「納豆」というものに目を付けて語るこの4ページ弱の短編。

幸福のハードルを下げて、馬鹿みたいにずっと笑っていられたらいい。

というメッセージは、彼女なりの世界観を通過して、展開されて、私たちにスッと入り込みます。

たった4ページのメッセージでここまで印象に残すのは、彼女のその「特殊な視点を余すことなく伝える」文学的技術の高さにあるのではないでしょうか。

この本を読み終わった頃には些細な悩み事や憂鬱なんて気にならなくなっていることでしょう。

3時間程度でパッと読んでしまえるので、気軽に手に取ってみてください!

下のリンクから購入できます!

ではまた!!

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